【2025年度カレンダ】中島清之 画集 大正 昭和 日本画 動物画 風景画 人物画 戦前 戦中 戦後

1991年発行
定価5万円 大型本

状態：中古 概ね良好ですが
画像最後2枚の赤丸箇所を参照下さい
外箱に少しダメージあります
中の本は綺麗です

■本書序文■
故中島清之 一周忌に当たって 画集刊行の全てを聞くことは嬉しいことである。

中島清之の芸業は、歴史の古い多士済済の院展の中にあっても、いつも静かな注目をひいていた。
これはその作品が密度の濃い錬磨された技巧にたちながらも、
ただそれにおぼれることなく、常に清新な気持と解釈に立って仕事をすすめていたからであろう。

私の頭の中にある代表的なものには、昭和三五年の「顔」という仏頭を現代的な感性の中に
大きく浮かびあがらせた作品と、そのあ昭和三九年に出た「川風」という
女性風俗をたくみに風景の中に溶かした美しい作品である。

作者の経歴などは詳しく紹介されるだろうから記す必要もあるまいが、
明治三二年京都山科に生まれたという事柄は忘れられない一点である。

上方の稠密な風土感は大正四年横浜に移り住んでからも仕事の根幹に貫流していたといってよい。
その修業は、 #松本楓湖 #山村耕花 あたりに学んで日本画の道に入り、
一時期は #速水御舟 らの目黒派の間にも加わって研鑽したと聞いている。

戦後、ようやく心技とも熟した芸業は、まず二五年の、「方広会の夜」で注目をひいたが、
さらに三一年の「浄瑠璃(清六)」、三四年の「梅川(文五郎)」から前記の作品あたりに至る仕事ぶりは
忘れがたい印象を残している。

いったい清之芸術の中軸をなしているものは、古典と近代との無理のない統合である。
画題を古典的なものに取りながら、その捉え方、迫り方において独自の近代的工夫が見られるのである。

そこには表現上、抽象的な要素が入ってくることもあれば、
文学的な解釈の上で新工夫を見せることもある。
しかも、それらの工夫が単なる表層の思いつきでなく、
手がたい技術と結びついて十分に消化されているところに、
作者ならではの仕事の密度とバランスがあったといってよい。

90年の生涯の美しい意義がこの画集によって顕彰されることを喜ばずにはいられない。

人物写生では、 #前田青邨 #平山郁夫 #横山大観 #小林古径
#福王寺法林 #片岡球子 #平櫛田中 #中島千波 #林武 らの似顔絵を掲載

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